で、前日の日記に書き忘れたのですが
この番組、お若いタカラジェンヌさんがアシスタントという形で出演してます。
ついでなので、それぞれの設定も。

第1回アシスタント 望月さん(♂):中等部1年 サッカー部
第2回アシスタント 早霧さん(♂):中等部1年 図書委員
第3回アシスタント 咲花さん(♀):中等部1年 空手道部

なぜ第3回アシスタント咲花さんが空手道部なのかというと
こーんな場面がありました。

アシスタントの挨拶をする咲花さん。突然
「樹里さーん、あたしってどうなの?」といいました。
後ろで聞いてる安蘭さんは驚き、樹里さんは笑い崩れてました。

これを前日の日記で書いた設定に落すとすると。

剣道部の部室の前で部活前にバカ話をする安蘭くんと帰宅部の樹里くん。
樹里くんは、家に帰る前に最近仲良くなった安蘭くんとバカ話するのが日課になってしまってました。
安蘭くんもまんざらでもないです。進学校の運動部なんてそんなもんです。
と、そこに部室がとなりの空手道部の新入生、咲花さんが突然割り込んできて
「樹里先輩、私ってどうですか?」と聞いてきました。
なんつーストレートな子だ、とびっくりする安蘭くん。
笑い崩れてごまかす樹里くん。
咲花さんは、最近隣の剣道部の部室に遊びにくる樹里くんが好きになってしまったのです。
いまどきの若い子はストレート。
さあどうするんだ、樹里くん。
そして、暢気にサッカーグランドで水まいてる場合じゃないぞあすかちゃん。

なんてね(笑)
宝塚のCS放送において、多分一番くだけまくっているであろう番組。
「JURIのそれってどうなの?」
今日9/4は第三回の初回放送日でした。
この番組は、樹里さんが司会で、毎回ゲストをお迎えして
楽しくトークしましょうね、という番組です。
今回のゲストは星組の安蘭けいさん。
この番組について第1回からの感想などつらつらと。

で、ここで樹里さんを
「タカラヅカ学園高等部2年 樹里くん(♂)」と設定します。
樹里くんは中等部時代はサッカー部だったのですが
現在はお気楽な帰宅部です。
ですがタカラヅカ学園はみんな何か一つは係か委員会に所属しなくては
ならないので仕方なく図書委員をやってます。
タカラヅカ学園は中学・高校のみの私立一貫校でみんな大体大学に進学します。
なので受験対策のため高等部2年になると進路別のクラスにわかれます。
樹里くんは私立文系のクラスにいます。
この設定で「それってどうなの?」を語るとすると。

第1回目のゲストは花組の愛音羽麗さんと遠野あすかさんでした。
この二人の設定は
羽麗くん(♂):タカラヅカ学園中等部3年 サッカー部
あすかさん(♀):タカラヅカ学園中等部3年 サッカー部マネ
あすかさんは、入学してすぐの新入生向け部活プレゼン大会で
サッカー部の紹介の際に、リフティングしながら軽妙トークを
かました樹里くんに一目ぼれしてしまいました。
他の女子は隣にいたもうすこしかっこいい先輩に憧れたのですが。
というわけで、あすかさんはサッカー部のマネになりました。
憧れの樹里くんを「先輩(きゃぴっ)」と身近に呼べる幸せに
浸っていたのですが、肝心の樹里くんは高等部に進学するとあっさり帰宅部へ。
内心かくっとなりながらも、元気に頑張ってます。
羽麗くんは樹里くんを始めとする先輩たちにかわいがられて(おもちゃともいう)、
ニコニコしながら、部活を頑張ってます。
というわけでこの三人のトークは、過去はいろいろネタがあるのですが
ごく最近の話はあんまりくわしくないっていう感じでした。
その、微妙に近くて遠い感じが、ツボでしたね。
深いところと浅いところがはっきりコントラストを描いているというか。
で、あすかさんが
「私は樹里先輩のこんなこと知ってるのよ!」みたいに頑張ってるところがけなげっていうか。

第2回目のゲストは宙組の遼河はるひさんと彩乃かなみさんでした。
この二人の設定は
遼河くん(♂):タカラヅカ学園中等部3年 図書委員
かなみさん(♀):タカラヅカ学園中等部3年 図書委員
遼河くんとかなみさんは同じクラス。
同じ図書委員の樹里くんとは2週間に1回の割合で回ってくる
放課後の図書室当番がいっしょのグループです。
当番の日は仲良くおしゃべりしたりするのですが、他の時はそんなに接点が
あるわけではないので、深く突っ込んだ話はできません。
というわけでこの三人のトークは最近の話は薄く広く出てきたのですが
羽麗・あすかペアのような部分的にでもディープな感じはありませんでした。
「当り障りのない」という言葉がぴったりでしたね。

第3回目のゲストは星組の安蘭けいさんでした。
この方の設定は
安蘭くん(♂):タカラヅカ学園高等部1年 剣道部
安蘭くんは樹里くんと同じ小学校出身で同じ駅を使っているので
お互いそれとなく顔は知っていたのですが、最近、
樹里くんは同じクラスになった剣道部の同級生(誰にしようか・・)と
仲良くなり、そのつながりで安蘭くんも仲良くなりました。
安蘭くんからみれば、樹里くんは一応先輩なので頑張って
敬語を使ってみようかとしているのですが、別に同じ部活の先輩ってわけでも
ないので、タメ語で会話してしまったりします。
同じ小学校出身ってことで、意外なところで話が合ったりします。
というわけでこの二人のトークは、知り合ったのがごく最近ということで
過去話は一切出ず、ごく最近の話ばかりですが、ノリが合うのでトークが止まらない、
という感じでした。

ってつらつら書いてもわかりにくいですよね(苦笑)
詳しい話題とかは、もっと的確にレポっている人に聞いて(読んで)くださいm(__)m。
あくまでもわたしが書いたのはイメージなんで。
こーんな番組でしたよーっていう。

これ、年末にでも総集編でまとめてやったら
かなり見ごたえのある番組になりそうです。
宝塚のHPを見ると
「元X JAPAN YOSHIKI氏が花組公演をご観劇」とかいうニュースがのってます。
現在宝塚大劇場にて上演中の作品に一曲、曲を提供したんだそうで。
その画像を見て、思いました。

「よっちゃん、相変わらず姫だなぁ」

私は全日本姫番付があったら間違いなく東の横綱には
よっちゃんの名が黒々と輝くと思っていました。
(ちなみに西の横綱はKinkiの光ちゃん)
ヴィジュアル系バンド好きだった私にとっては
よっちゃんはもう避けても通れない存在です。

X JAPANっていうよりは、私的にはやっぱりXですね。
半分立てた髪の毛で「元気が出るTV」の運動会で走ってたり、
「エクスタシーサミット」っていうイベントでウェディングドレスで出てきたり。
またそのドレス姿が異様に似合っていたり。
「セレブレーション」っていう曲のPVではシンデレラの格好ででてきましたね。
青いドレスでした。
のちに「YOSHIKI人形」って売り出されたんですが私は青を買いました。
とにかく、そのころのよっちゃんの印象が強いです。

そしてそのころのよっちゃんは、誰がなんと言おうと
「姫」でした。
「姫」の定義は人それぞれでしょうが、私的「姫」の定義としては
・ルックスはかわいいって言うよりは綺麗って言葉が似合う
・立ち姿に品がある
・折れそうなくらい細く、肌の色が白い
・悪ぶってもどことなく育ちのよさ、躾の良さが隠し切れてない笑顔
・ちょっとわがまま
・でも行動はかわいい
っていうのがあって、これをパーフェクトにそろえていました。
今はねー、さすがにもうあれから何年もたち
今のYOSHIKI氏にウエディングドレス着てくれって言っても
嫌がられるだけでしょうからねー。似合いもしないだろうし。
しかし、やっぱり姫は姫。
もう、たたずまいが、姫。
何だこの人、いまだに姫だよ。凄いなー。
東京宝塚劇場で絶賛公演中の「ファントム」
私はもう観に行けないんですが。
でも、迷って迷って、DVD手に入れました。

DVDはいいですね。
見たいだけ見れる。
そして「エリックの物語」と「お前は私のもの」のところで
わかってても涙腺が・・・・・・

さて、ジェラルド・キャリエール氏、
あんまり評判のいい人物ではありません。
「そもそもあんたが全部悪いんじゃんか」と
責められたら「はいそーです」というしかないのかもしれません。

でも、私の個人的なツボをクリティカルヒットしてくれたキャリ氏。
私が樹里ファンだから?
でも、私この前のラシッド・サラム氏(@ロマンス・ド・パリ)は
あまり好きじゃなかったしなぁ。

やはり自分が親である(しかもいろいろ病気抱えてる子の)
という部分が大きいんだろうか。
それをキャリ氏に投影してしまっているんだろうか。
キャリ氏(ひいては演じている樹里さん)には迷惑な話だ。
でも、ジェラルド&ヴェラドーヴァカップルの
行動いちいちに「うんうんうん」と
うなづいてしまうのは、その部分が大きいかと。

自分が親となって思うのは
親は子が生まれてからすぐに親になるのではなく、
子の成長とともに、親も親として成長するのだということ。
キャリ氏もエリックが生まれてすぐに強き親となれるはずはない。
狂ってしまった最愛の人と、親の業をその顔に背負ってしまった息子。
そんな苛烈な状況を目の当たりにして、すぐに強き親と
なれる人などいないはず。
キャリ氏は、エリックの成長とともに親として成長し、
そしてようやく息子の前で名乗れるまでになったのだと思う。

私が「そうだよね、わかるよジェラルド」と一番思ったのは
エリックが自分の異形に気づき泣き叫んでいるとき
キャリ氏は仮面を作ってやるのですが、そのときの台詞
「(エリックが仮面をつけることで)少なくとも私の心は楽になった」
というようなことを言います。
私は自分がこれと同じような経験をしているので
「うんうんうん(握りこぶし)」という感じでした。

私の場合は「仮面」ではなく「ステロイド剤」。
息子の顔がアレルギーでぐちゃぐちゃだったとき
虐待を疑われて、私は精神的にぼろぼろでした。
医師からはステロイド剤が処方されてました。曰く
「赤ちゃんには強い薬だから、できるだけ我慢して。
我慢できなくなったらちょこっと使って」
母親界では「ステロイド=手を出して慢性化したら大変だ」
という常識があります。
もちろん有用な薬ではあるのですが、だんだん効かなくなってきて
強い薬に替えていって更にループして、という
事態に陥る危険がある薬でもあるからです。
だからできるだけ赤ちゃんには使わない、というのが最近の流れです。
症状が激しいときにごく少量使って、が理想的な使い方とされています。
しかし、そのときの私は精神的にちょっといっちゃってる状態
だったので、ステロイド剤をべったりと塗ってしまいました。
ステロイド剤はよく効く薬。ほんの数時間で綺麗になりました。
しかし、そんな強い薬が息子の体の負担にならないはずはないのです。
それはわかっていました。ただ、私の心はすこしだけ楽になりました。
私はひどい親かもしれません。
でも、私の心が安定しなければその私に接する息子はどうなるか。
そのときは、それだけを考えていました。
今はアレルギーが落ち着いているので冷静に振り返ると
「ごめんよ、息子」と思うのですけどね。

で、ファントムに話を戻して。
今回「お前は私のもの」の所のDVDの編集が
すっごくいいです。私的にですが。
ああ、こういう風にまとめてくれたのね、ありがとう!!と
心の中で叫んでます。
エリック・キャリ氏の感情の揺れ動きポイントを
くまなく押さえてくれている。
「息子よ」とキャリ氏が呼びかけるときのエリックの表情と
「お父さん」とエリックが呼びかけるときのキャリ氏の表情。
いいです、いい。
フィナーレが音無し部分があるのは、これで許せるくらい。

フランツ・ヨーゼフ@エリザベートの時もそうなんですが
樹里さんにはあんまり女性の観客には好感を持たれ難いキャラばかり
最近回ってきてるのは、キャリア的に仕方ないんでしょうか?
フランツはマザコン。キャリ氏は既婚者なのを隠して恋をした。
女性の観客には好かれないよね(苦笑)
実際、フランツ・ヨーゼフも私はあんまり好きではないし。
でもキャリ氏は別なのよねぇ・・・・・。

もう少しでキャリ氏ともお別れですね>樹里さん。
世間の評判はあまり芳しくなくとも
私はジェラルド・キャリエール氏の味方ですよー。
けさ、宝塚のCSをつけたらこれがやってました。
番組表はあんまりみないんで、あらあらという感じ。

宝塚の衣装ってカラー・コーディネーターつけたほうがいいと思う・・・。
それとも、あれが関西ノリ?

特に前半の「ロック」の衣装。
違うから。
絶対にあんなロッカー(古)いないから。

これを書いてる時点では中詰をやってます。

私的にはここからが見所なのでTVの前にいってきまーす。
特にタイタニックの場面。
ここ、大好きなのー。タンゴ好きなんで。
よくぞこの場面樹里さんにあててくれてありがとう、みたいな。

宝塚は変にロックやヒップホップを取り入れるよりは
タンゴを極めて欲しいなぁ。
タンゴのバリエーションでショーが一本作れませんでしょうか?
そしたら嬉しいなぁ。
とにかくひたすらタンゴタンゴタンゴなショー。
私しか喜ばないかも、だけど。

あー、始まっちゃう、行かなきゃ−。
夫が「マツケンサンバ?」のCDを買ってきた。
そのCDの内容自体の感想は、また別の日に書くとして。

掲題の「新宿コマ劇場」にて今秋公演される
「暴れん坊将軍/マツケンサンバ」の公演チラシ?が
封入されていました。
話のネタに行く人いそうですよね。

新宿コマ劇場・・・・。
なかなかディープな場所です。場所は歌舞伎町のどまんなか。
女の子が一人で夜歩くのはちときつい立地。

そんなコマ劇場に私は何度か行ったことがあります。

一つは北島三郎の公演
もう一つは宝塚OG&現役混成チームの「シンデレラ」

北島三郎公演は母親の付き合いで行きました。
山本譲二とか歌手の小金沢君とかが出てた気がします。
もう10数年以上も前のこと。
芝居の演目は森の石松かなんかだったと思います。
「思います」っていうのは、私芝居の時は寝てしまったんで
よく覚えてないんです。
ゴメンナサイ、北島ファミリーの皆さん。m(__)m

で、ショーの方は覚えてます。
与作とか、函館の女(すし太郎の歌ね)とか歌ってました。
で、ラストは「祭」って曲です。
「祭りだ祭りだ」っていうサブちゃんの曲は結構有名ですよね。
サブちゃんは舞台上で首とか脚?とか動いて、目や角が赤や緑に光る
大きな龍の頭の上にのり「祭りだ祭りだ」って唄ってました。
舞台は出演者総出、もの凄い量の紙ふぶきは舞うわ、
でもう、なんかすごかったです。

それ以降、私の中で「コマ劇場=あのものすごいドラゴン」の
イメージがついてしまってました。

時は流れ、「シンデレラ」の公演が発表されました。
これの王子様役で樹里さんが出たのです。
観に行かないわけは行きません。

が、ふと思いました。
「コマ劇場=あのものすごいドラゴン」

そして、ちょうどネットで見た情報で
「王子様役はモーツァルトのヅラを被る」
「王子様役の衣装は宮廷服(ニッカボッカみたいな中途半端なズボン)」

その二つが融合して私の脳内では
「モーツァルトヅラに宮廷服の樹里さんが
あのものすごいドラゴンの頭の上で
凄い量の紙ふぶきが舞う中、シンデレラへの愛を唄う」
の図が完成してしまっていました。

ええええええっ、まじで????
それってどーなの?

でもまぁ、本人納得して仕事してるんだろうし
観に行くのがファンだと思い直して
チケットを取りました。

そして観に行く前日にたまたま母と話す機会があり
「コマ劇場に宝塚観に行くの、あの凄いドラゴン見に」
といったら、母が
「あのドラゴンはサブちゃんの持ち物だから、宝塚には貸さないとおもうけどなー」

そうなんだー。
とりあえず、ドラゴンはないんだー、ほっ。
モーツァルトと宮廷服と紙ふぶきは、まぁ、わかんないけど・・・

そして幕が開けたシンデレラ。

王子様の髪の毛は地毛。
服は普通の宝塚みたいな軍服系王子服。ズボンはちゃんと下まで。
紙ふぶきなんてなし。
シンデレラの遠野嬢は可愛らしく、
王子様の樹里氏は夢々しい王子様で
その他OGの皆様(私全然知らない人たちだけど)も
大変に芸達者な皆様で、大変よろしい公演でした。
ビデオ出てないのが残念です。

あー、よかった、と納得して家路につきました。

そんな思い出の場所です、新宿コマ劇場。

あと、全然関係ないですが、
マツケンサンバのおまけDVDにはPVが入ってるんですが
花組で「エリザベート」をやった大鳥嬢が
嬉々としてマツケンの隣で踊ってました。
今度宝塚でもエリザベートやるんですよね?
誰がやるんでしょうね〜
宝塚のCSにて放送された
「スター・ロングインタビュー/樹里咲穂」をようやく見ました。
HDDにとってたんですが、なんか見る暇なくて
今日、息子・ひよすけが寝ている間にようやく見たんです。

ほーっそうかそうか、と見ていたんですが
外部出演の話になって、宝塚と外部(この言い方なんだかな)の
違いについて話していました。

要約としては、
宝塚は演出家が先生・役者が生徒であり、先生の導くように舞台を作るが
外部は演出家と役者が対等に話し合いながら
役者は自分ができることをアピールしながら舞台を作る、ということを
言ってました。

私は、前にも書きましたが、彼女のベストは
堂本光一主演「SHOCK」のサキホさんだと思っています。
宝塚の人なのに。
(もちろんこう思ってる人は、彼女のファンの中ではほとんどいない
 ということも承知しています。あくまで「私は」です。)
「SHOCK」の演出家は「You、踊っちゃいなYO」で
有名なジャニー喜多川氏です。
私は今まで、宝塚の演出家はなぜジャニー氏よりも
樹里さんの力を引き出せないのだろう、と常々思っていました。
ジャニー氏は「SHOCK」に出るまでは
樹里さんのことは知らなかったはずなのに、何で
何年も樹里さんのことを見ているはずの宝塚の演出家諸氏は
はじめまして状態のジャニー氏より
樹里さんのことをわからないのだろう、と。

しかし、この放送をみて、目からうろこ落ちました。
私の考えが間違ってたんですね。

いくらジャニー氏でも、まぁ、事前にPVくらいは見たろうが
まったく知らない人と言ってもいい人のことの
売りを的確に見極めることなどできる訳ないのです。
「SHOCK」は、樹里さんはジャニー氏に
「私はこれこれこういうことが出来ます、これはこうしたいです」と
自分の「できること」「やりたいこと」を主張したんだと思います。
私は男役も女役もできる、歌もこういうのが得意だ、
ダンスもこういうのを踊ることができる、
衣装は背中開いてるドレスでもかまわない、とか。
で、ジャニー氏も
「Youがこれ出来るなら、これもあれもやってNE」と
言う風な感じであのサキホさんが作られていったのね、と。

ジャニー氏の場合、対自分の事務所の人(特にJr)では
宝塚の演出家のように「先生」になるんだと思います。
ただ、よその人には対等に接するのだなと思ったんですね。

翻って宝塚の場合は、演出家が「先生」、役者が「生徒」。
これって「外部」(・・・)よりも、舞台の出来について
演出家に掛かる比重というか責任がより高いですよね。
だからこそ「先生」と呼ばれるわけだし。
私はあまり宝塚に詳しくはありませんが、
番組での樹里さんの話し振りから判断すると、
宝塚の舞台は、演出家に対して役者が意見する、ということが
他の舞台に比較して少ない、もしくはありえない、と
いうことだと感じました。

それが良いか悪いかは私にはよくわかりません。
そういうシステムで90年やってきたんだし、
いまさらシステムを変えることはないだろうし。

が、今日は目からうろこ落ちたなぁ。うん。
そういうことだったのねぇ。
最近、マイプロフィールにこことリンクさせたのだが
そのなかに「ドリーム」という項目があります。
ぱっと思いつかなくてそのままにしていたのだが
改めて「ドリーム」といわれたらなんだろう、と考えました。

現実的には「宝くじ一等3億円があたる」こととか?
それってどうなの?(思考停止)

で、もう少し実現不可能っぽいことを考えました。

よく、宝塚のファンサイトとかいくと
「妄想配役コーナー」なるものがあります。
ま、簡単にいうと
「花組の春野寿美礼さんに『うたかたの恋』のルドルフやってほしいの」とか
「雪組の朝海ひかるさんに『ベルサイユのばら』のオスカルやってほしいの」とか
ファンが夢見る、タカラジェンヌさんの姿を披露しましょうコーナーです。
私は樹里咲穂さんファンですが、実のところあんまり宝塚に
詳しくはありません。
だから、「〜の役をやってほしいの」というドリームはないです。

が。
「役」ではなくて「やってほしいこと」という風に範囲を広げると
ドリームが広がります。
今まで、誰にも言えなかったことをここで書きましょう。それは
「宝塚歌劇団専科の樹里咲穂さんに三柴理さんのプロデュースで
 CDデビューしてほしいの。収録曲は、オリジナルはもちろんだけど
 筋肉少女帯の『これでいいのだ』と『サンフランシスコ』と
 『キノコパワー』と空手バカボンの『中央線ヤクザブルース』の
 カバーをしてほしいの〜」

あーあ、書いちゃった(半笑)

三柴理さんについては、私は旧名の三柴江戸蔵、通称エディの方が
言いやすいので以下エディとします。
エディは筋少のメンバーでしたが、メジャーデビュー2作目の
「シスターストロベリー」を最後に脱退しました。
現在は、筋少を脱退した大槻ケンヂ(以下オーケンとします)と
ともに「特撮」なるバンドを組んでるらしいです。
らしいですっていうのは、あんまりきちんとフォローしてないんで
間違ってたらゴメンナサイってことで。
エディはピアノ・キーボードを担当してましたが、
バンドブーム前夜のロックバンドにはおよそ似つかわしくなかった
超絶テクニックの持ち主です。
また、そのアレンジセンスは卓抜したものがあります。
あの超絶テク&アレンジセンスで、樹里さんの歌の魅力を
引き出してほしいのーってことです。

収録して欲しいカバー希望曲については
「これ絶対樹里さんに歌って欲しいー」と思っている
ものをあげました。
筋少(空バカもだけど)といえばオーケンの
歌唱メソッドをおよそ無視した歌でご記憶の方が
ほとんどだと思いますが、意外や意外
曲自体はドラマティックでメロディアスな曲もあるのです。
この辺はオーケンの鼻歌をドラマティックでメロディアスな
楽曲にアレンジするエディ他楽器隊の才能によるものか
単にオーケンが音●なのか、非常に難しいのですが。
空バカの「中央線ヤクザブルース」については
エディはまったくかかわってませんが、これは
私が個人的に名曲だと思ってるのでいれました。
筋少だったらなんでもいいわけでないです。
別に「日本の米」とか「釈迦」とかを
歌って欲しいわけではないんです(ちょっとききたいけど)

特に歌って欲しいのは「中央線ヤクザブルース」。
これはどんな曲かというと私的には
「『アンダルシアに憧れて』の現代日本小チンピラバージョン」。
アンダルシアに憧れて、という有名な曲がありますよね。
あれは舞台はスペインで、主人公はボスに信頼されてるギャング、
恋人は地下の酒場で踊ってる美女、仲間のしくじりを
尻拭いに行ったが、返り討ちにあってしまった、というような曲です。
対して、「中央線ヤクザブルース」は舞台は日本(中央線沿線)、
主人公は東京に憧れて田舎から出てきたのに何故か暴力団の鉄砲玉に
なりゆきでなってしまった青年、それが命令されて
カチコミにいくことになってしまった(無論命の保証なし)、という曲です。
恋「人」はいませんが、恋しい相手はあります。
コインランドリーの乾燥機タマエです(名前は主人公が勝手につけた)。
カチコミにいくことになった主人公は、最後にタマエに会いに行きます。
そして、曲中の語りで主人公はタマエに向かって語りかけます。
「いつもタマエはオレのパンツを乾かしてくれた。(中略)
カランコロン、カランコロン、ああ、まるで泣いているようじゃないか」
そしてオーケンの素っ頓狂な歌が入ります。
「僕は死ぬよタマエ、天国で待っているよ、
 僕は死ぬよタマエ、天国でまっていーるーよーーーん
 おーーーんおーーーーんおーーーーんおよよよよーーーん」

この曲は、空手バカボン名義でナゴムレコードから出た曲です。
ナゴムはインディーズなんで、曲はエレクトーンが伴奏、
たしか、語りはすっかり舞台人になっちゃった
ケラリーノ・サンドロビッチが担当してます。
空バカの曲は結構筋少でカバーしてると思うんですが
この曲はカバーしてません(はず)。
なので、エディにものすごい超絶的にプログレプログレした
エディエディしたアレンジをがっつりごってりしてもらって、
歌も語りも樹里さんにやってもらい、オーケンのごまかしとしか考えられない
「およよよよーーーーーーん」も、ちゃんとしっかり
あのよく伸びる声で歌いなおしてもらいたいのです。
樹里さんは、情けないチンピラ系の役は天下一品との
お墨付きをもらったことのあるタカラジェンヌ、
絶対ばっちりはまるとおもうんだけどなーー。

後の筋少からの3曲もドラマティックでメロディアスな曲です。
もう太鼓判押せるくらい。

あーあ、書いちゃった(半笑)

あと、どーしても「役」っていうのなら、これも筋少になるけど
「元祖 高木ブー伝説」のPVで
オーケンがやってた隻眼のサーカス団の団長(鞭持ってる)は
やってほしいかも、と思います。
ここに迷い込んじゃった良い子の宝塚ファンの方に
説明するとするならば、ちょっと前の宝塚のショーで
「パッサージュ」というショーがありましたが、
あれのなかのサーカス団がでてくる場面みたいな
イメージのPVでした。
パッサージュを見たときに「これって高木ブーのPVに似てる」と思った
おそらく唯一の人間である私としては、あのPVを
宝塚の人でみたいなーって思うのです。
オーケンの役は樹里さんなら、その鞭で叩かれる(設定の)
可憐で華奢なカナリアみたいな女の子が必要ですが
あんまり娘役さん詳しくないんでどなたか適当に。
別に男役にも詳しくないんだけど。

まさに「ドリーム」というより
0.00000000000001パーセントの可能性もないドリー無(理)。
昨日は宝塚宙組「ファントム」東京公演初日でしたね。
おめでとうございます。
私は東京公演は見にいけませんが。

宝塚のCSで「ファントム」の出演者座談会みたいのを
やってました。
その中で、異形のファントムが生まれてきたときに
母親は醜いとは思っていないのに父親は醜いと思って叫び声をあげる、
というところで、父親・キャリエール役の樹里さんが
「父親ってそういうものかもしれないですよね。
客観視するって言うか、一歩引いてみてるっていうか」
みたいなことを言っていて
(言葉は正確でないです、ニュアンスとしてこんなことを言っていた)
「わかってるじゃーーーん」と思いました。

息子は食物アレルギーのほかに持病が一つ、
その他持病(というか障害?)を持っている
可能性を抱えていて、住んでいる地区担当の保健師の薦めで、
この間地元行政の相談に行ってきました。
そこで何言われてもいいように、色々ネットなどで
その可能性があるほうの方に付いて調べたんですね。
同じ状態のお子さんのお母さんの開くHPとか
色々見て回ったりして。

そこで感じたこと。
「父親はいざって時には頼りにならない」
「父親は子供の病気・障害を受け入れることが難しい」
ということが、ほぼ共通して上げられていました。
まぁ、お母さんの愚痴込みだとは思いますが。

病気・障害を抱える母子への狼藉話がたんとありました。
離婚を余儀なくされたケース、親類から絶縁されたケース、
父親が浮気に走ったケース、などなど。
もちろん、立派なお父さんたちもいるんですがね。
母親は、いざ診断名つくと肝がすわるというか
「私がやるしかないんだーー」って思えるけど
父親は、たいていの場合、そのことが最初は受け入れられない。
男の人ってたいていの場合打たれ弱いみたいですね。
そこで、病気・障害を持つ子を受け入れるように努力するか
拒絶するかは、その父親の資質のようなものなので
それこそケースバイケースのようでした。

うちの場合もなー、よく考えてみると
父親意外と打たれ弱いかも、とか(笑)

まず、一つ目の持病は生後1週間で宣告されました。
私は母乳に影響しない精神安定剤を飲まされていたせいか
意外と「はぁそうですか」と言う感じでした。
隣の父親はおろおろしてました。
その持病については、見た目ではわからないし
日常生活はいまのところごく普通に送れるので
あんまり気にしていないのが、実際のところです。
一応、投薬治療を続けてはいるのですが、
将来息子が激しいスポーツをしたい、とか
そういうことを言わなければ、一生問題はないだろう、と
言われていることもあります。
ただ、その持病を最初聞いたときの
他人様の反応は「まぁおかわいそうに、そんなところが病気で」
というようなもので、父親もそういう反応でしたねー。
場所が場所なんでね。うん。
生死にある意味直結する場所の病気なんで。
「こいつ1歳まで生きられるのか」とかマジで思ってたようです。

食物アレルギーについては、見た目がぼろぼろになるんで
父親より母親の方がダメージ大きかったですね。
父親って休みの時しか一緒にいないから。
いつも連れて歩くのは私なんで、
「虐待?」「かわいそう・・・」とかいう
他人様の反応を無視するのがつらかったし、
あと、「この水はいいのよ」「このクリームがいいのよ」と
わけわからん民間療法を薦めてくる偽善者のみなさんを
あしらうのも、結構鬱でした。
あとは、寝るとき包帯で腕を固定したりするのも
かわいそうで見ていられなかった。
しかし、食物アレルギーについてはやっぱり成長と共に
だいぶ落ち着いてきているので、
今はあまり気にしてはいません。
外食のときにメニューに気をつける程度ですかね。

そして、可能性のある持病と言うか障害は
これは結構父親はがっくり来ています。
まぁ、上2つに比べたら深刻度の度合いが違うっていうか。
確実にその持病と言うか障害である場合の
典型的な症状は息子にはあらわれていないのが
父親の救いのようです。
食物アレルギーのように、成長と共に可能性が消えてくれればいいと
おもっているようですね。
実際、その(成長と共に可能性が消える)可能性が
高いようなことは、行政の相談で示唆されましたし。
私は、色々ありすぎて「またかよ」と思っているのが
実際のところです(笑)
もう何も考えたくないって言うか(投げやり)。
ただ、息子の人生考えると、どうなのかな、とか
思ったりして鬱なときはあります。
親ってどうしても子供より先に死ぬじゃないですか。
だから、私ら両親が死んだら息子はどうなるのかしら、と。
普通は息子に看取ってもらってってとこなんでしょうけど、
もし、その持病と言うか障害だった場合は
残された子供のことを考えて死んでいかなきゃならないのか、とか。

あー、自分で何かいてるかよくわからない。
あ、ファントムの話だったか。
その理論からいくと、ファントム誕生時に
母親は醜いと思っていなくて
父親は醜いと嘆いた、その展開は非常に正しいわけですよね。
この点をかなり非難する観劇感想
結構読んだんですが、でも、父親ってそういうものなんだもの。
一般的に。
むしろ、母親死亡後、引き取ってそだてたキャリエールさんは
非常によい父親じゃないですか、
現代日本の病気・障害を抱えた子供の父親の多くよりは。

そう、ファントム頑張ってください。
(わけわからん締めだな)
随分間をあけてしまいました。ふう。
前回の続きからですが。

「強い責任感・プロ意識を持っている人が私は好きだ」ということを
ファントムという作品は改めて再認識させてくれました。
という話の流れでしたね。

サキホさんの時は、ショー場面とショー場面の間に何度か
ストーリーの伏線となるお芝居していたんですが、
それが、非常に辻褄合わない設定の割に、筋の通った芝居をしていて、
この舞台についての責任感が伝わってきて好きでした。
それを一番感じたのは、著作権のごたごたのシーン。
ヒカルの作曲した曲の権利は自分たちにあると、主張してくる怪しげなエージェント。
その書類を見たサキホは、一目でその書類はおかしいと見破ります。
筆跡がヒカルのものではなく、タクのものだったからです。
その前までは、普通に仲良し夫婦だったサキホとタク。
しかし、その瞬間から、関係が壊れます。
「いくらかかってもいい、この曲を使えるようにして、いいわね」と
タクに冷たく言い放ちます。
タクへの軽蔑。ヒカルの曲に傷をつけられた怒り。
タクはというと、サキホが書類を見たことで、自分への信頼がなくなったのかと
非常におろおろと落ち着きがなく、無駄にサキホに笑いかけたりしてます。
結局、コウイチが見つけていた正式な著作権の書類を提示し、
事なきを得るのですが、エージェントが退散した後、
そばに近づいてきたタクをきっと睨んで、一人去るサキホ。
狼狽した様子でサキホの後ろ姿を見詰めるタク。
非常に短い場面ですが、ここがラストの暴露シーン、そして
亡夫へのサキホの思いを表す重要な伏線になっていました。
また、このエージェント役の人がちょっと曲者で、
いちいち台詞の言い方を大げさにしていたりするものだから
タク&サキホ以外のキャストはみんな素に戻って半笑いになっていたりしました。
私はこういうのが、どうしてもだめで。
例えほとんどが初舞台のジャニーズJrだったとしても、ちょっと・・・。
そういうなか、この二人は、自分の芝居を壊すことなく、
きちんと役割を果たしていました。
この二人がしっかりしてなければがたがたになっていたであろう
この舞台で、感情の動き、役としての息づき方、本当に良かったです。

キャリ氏の場合も、登場シーンから親子名乗りあうシーンの歌、
そしてその延長線上にあるラストに向かって
まっすぐなベクトルで芝居が組み立てられていました。
例えば1幕、クリスティーヌの歌唱が、ビストロのパーティーで絶賛される場面。
クリスティーヌは最初緊張しているのか、か細い声で歌うのですが
その声を一声聞いて、キャリ氏は、かつて自分が愛したベラちゃんを
思い出します。何か思い出の中に入っていくキャリ氏。
誰かにつつかれて我に返ります。
きっと誰も見ていないかもしれない、小さな場面でも
きっちり芝居を組み立てていて、それが樹里さんなのだなと思ったんです。
SHOCKの時とは違って、破綻したストーリーのひずみを背負ってくれる人は
他にはいない状況、樹里さんの芯がぶれるとただでさえ突っ込みどころの
多い話がどっちらけになってしまうかもしれない中、
まっすぐに芝居を組み立てて、たった1曲で全てを取り返した
そんな樹里さんに惚れ直しました(笑)

ただ、ちょっと設定があんまりにもあんまりなんですよ>キャリ氏
前にも書きましたが、SHOCKとストーリーの破綻振りを
勝負してどうするんですか、と思う私。
以下、ちょっとだけ変えると少しは印象も変わるかもしれないってことを
書いてみます。

キャリ氏の独白。
「私は支配人の見習いをしていた18歳のころ、
オペラ座のダンサーだったベラドーヴァとであった。
私は彼女を一目見て恋に落ちた。しかし、
私ははちょうどその少し前に、親の決めた許婚と愛のない結婚をしたばかりだった。
彼女もそれは知っていた。しかし互いに惹かれあう心はとめることが
できなかった。
私は彼女を思う心を押し殺し、彼女も家に帰る私を見ては何度も涙し。
ただ、目が合っただけで、時が止まるほどのときめきを覚え、
手が触れあうだけで心が高鳴るような、そんな、若い二人だった。
ある日、何気なく彼女があるオペラの曲のフレーズを口ずさんだ。
それはまるで天使のような歌声だった。
私は彼女に歌手のオーディションを受けるように薦めた。
彼女はオーディションに受かり、瞬く間に一ダンサーから
スターへの階段を上り始めた。
そして、彼女がオペラ座で初めて主役を歌った日、
オペラ座は感動と興奮で割れんばかりの喝采で包まれた。
その夜、彼女に成功を祝して花束を渡した私の胸に彼女は飛び込んできた。
私は初めてずっと恋しかった彼女の肩をこの腕で抱き、
彼女のぬくもりを感じて、そしてなにかが私の中ではじけてしまった。
たった一度だけ、神に背いて彼女と一線を超えてしまったのだ。
彼女はしばらくして、オペラ座から姿を消した。
私は必死に探した。愛しき彼女を。
そして、落ちぶれた姿で身を隠している彼女を見つけたときには
彼女は身重の姿だった。
彼女は、神に背いてしまった罰を受けてしまった、
何度も神に祈り救いを求めたが救われず、死のうと薬草を飲んだが
死にきれなかったと泣き崩れた。
それからは、妻に隠れてできるだけ彼女のそばにいるようにした。
妻は私個人には関心がなく、家に帰らなくても何も言わなかったのも幸いした。
程なくして、子供が生まれた。それがエリックだ。
しかし、そのエリックの顔は見るもおぞましい顔だった。
私はエリックを見て、神は我らにこのようなむごい罰を下すのかと呪った。
しかし彼女は、生まれてきたエリックを見て言った。
「ねぇ、ジェラルド、私たちの子はなんて可愛らしいんでしょう」
そう、神は彼女の精神を狂わせることで、罰から救ったのだ。
神は私だけに、罪の十字架を背負わせたのだ。
それからまもなく、エリックがまだ物心つく前に彼女は逝ってしまった。
取り残されたエリックを、私は引き取って育てることにした。
エリックのその顔は、私の心に打ち込まれた罪の十字架を
見せ付けるかのようで、私にはどうしても耐えられなかった。
私は罪の意識から逃れるため、エリックに仮面をつけた。
じきにエリックは仮面を自ら取り、そして嘆き悲しんだ。
その姿は私の心を突き刺し、苦しめた。
何故神は、私の精神も彼女とともに狂わせてくれなかったのか。
私は生きている限り罰を受けながら生きよと言うのかと。」
とかだとどうでしょう。少しは、ましかなぁと。

問題は、橋田スガ子張りのこの長台詞を覚えてもらえるかどうかだな(笑)
昨日の続きです。
で、今回のファントムのキャリエール役なんですが、
この人も、昨日長々と書いたサキホさんばりに無茶苦茶な人物です。
以下はキャリエール氏視点でのファントムのストーリーです。
(実際の舞台とは、時系列は違います)
18歳の時にオペラ座支配人の見習をしていたキャリ氏、オペラ座のダンサー・ベラドーヴァとであい、恋に落ちます。
若い二人は周りも見えずに情熱的に互いにのめり込んでいきました。
あるとき、キャリ氏は聞きました。
「どうして僕のことを愛してくれるんだい?」
すると、ベラちゃんはとっても上手に歌いました。
それはまるで天使の歌声のようにキャリ氏には聞こえました。
ベラちゃんは瞬く間にオペラ座の歌手として有名になります。
そしてしばらくして、ベラちゃんはキャリ氏に言いました。
「私、あなたの子を宿しているの、結婚してほしいの」
しかし、キャリ氏は重大なことをベラちゃんに言ってせんでした。それは、
キャリ氏、既に結婚してしたのです。
この舞台は19世紀末・フランスのお話、
当時、離婚・堕胎・不倫・自殺などは宗教的な理由から認められてはいません。
絶望したベラちゃんは神に祈りますが、救ってはもらえません。
ベラちゃんが行方知れずになり、キャリ氏は必死で探しました。
ある時、落ちぶれた姿で薬草を買っているベラちゃんを見つけました。
その薬草は多分自然に堕胎するための薬草か自殺用かだと思います。
しかし、薬草をむさぼってるベラちゃんを途中でキャリ氏が止め
子供は流れなかったのですが、化け物のような風体で生まれてきました。
この子供が主人公のファントム(エリック)です。
キャリ氏は驚いて目をそむけますが、ベラちゃんは歌うのです。
「私の歌声が生んだ天使」
ベラちゃんには化け物ではなく、本当にかわいい赤ちゃんにみえていたんです。
しかし、ベラちゃんは程なくして病気で死んでしまいます。
それからは、エリックはキャリ氏が引き取り育ててきました。
自分の職場のオペラ座の地下で、人目を忍んで男手一つでエリックを育てていたのです。
キャリ氏は罪の意識から自分が父親と名乗ることが出来ませんでした。
親戚の男性のような態度で、エリックには接していました。
エリックが8歳になったある日。
エリックは水たまりにうつった自分の顔を見てしまいます。
初めは海の化物かなんかだと思って驚きますが、すぐに気づきました。
「これ・・僕の顔だ」エリックは絶望して泣き叫びます。
見てられないキャリ氏は仮面をつくってやりました。
それから、毎晩のように地下から聞こえてくるエリックの泣き声。
それが「オペラ座の怪人伝説」の始まりなのです。

そしてエリックは成長。キャリ氏は今だ父親と名乗ることもできず
エリックの好き放題にさせています。
エリックは地下に降りてきた人間を簡単に殺してしまったりします。
キャリ氏は止めることもできません。
そして、エリックはクリスティーヌと出会い、
恋をしますが、クリスティーヌに顔を見せたら
(クリスティーヌがみせてくれといったんだけど)、
逃げられてしまったので絶望してしまいます。
クリスティーヌに、今までで唯一自分を愛してくれた
母の面影を重ねていたエリック。
そのクリスティーヌとの恋が壊れたことは、エリックにとって
大変なことなのです。
で、キャリ氏はクリスティーヌを追って地下から地上に出てきて
ファントムを探していた警官に撃たれて怪我をした
エリックを見つけます。地下に戻してやろうとするキャリ氏。
そこで、ようやくエリックに自分が父親だと名乗るのです。
エリックもなんとなくそうだったらいいなぁと思っていたけどたずねるのが怖かった。
ようやく実現した親と子の抱擁。
しかし、そんなことは長くは続かず、警官に二人は見つかってしまいます。
そしてエリックはあえなく御用。
生け捕りにされたエリックが叫びます。
「ジェラルド、自分を撃ってくれ、早く」
エリックは異形者。この時代では見世物にされてしまいます。
我が子をそんな目にはあわせられない。
キャリ氏は警部から銃を奪うと、一瞬の逡巡の後エリックを撃ちます。
そしてエリックは崩れ落ち、クリスティーヌの腕の中で最期を迎えるのでした。

どうですか?
時代背景が現代とは違うとはいえ、
旦那が自殺したらすぐに再婚して、なおかつ自分の子の父親が誰だかわかっていなかったサキホさんと
女の子孕ませといて既婚者だと告げていなかったキャリ氏。
脚本での描かれ方の滅茶苦茶度は甲乙つけがたいものがあります。
しかし、サキホさんが「ニューヨーク,ニューヨーク」1曲で
全てを取り返したように、キャリ氏も1曲で全て取り返します。
それは、エリックにようやく自分が父親だと告げるシーンの歌。
「You are my own」とかいう曲名だったと思います。
これは厳密にはエリックとのデュエット?なのですが
パパがどんなに君を愛していたか、ということを
せつせつと歌い上げる歌なのです。
やってることは結構非道なキャリ氏ですが、あの時代では仕方なかったこと、
自分なりの最善の方法で異形の息子を守ろうとしていたこと、
そして、何より息子をこの上もなく愛していたということ、
そういう感情がどーーんとあふれ出ていました。
そして、背負わされていた破綻したストーリーのひずみを
見事に感動に変えていたと思います。

脚本・潤色・演出が行き届かないところも板の上に
乗っている人間が責任を持っている。
そういうことをひしひしと感じたんです。

まだまだ続きますが、後日。
昨日の続きです。
昨日の日記の最後の方に触れたジェラルド・キャリエール役の樹里さんについて。

私は、彼女のファンですが、私が思う彼女のベストはkinkiの光一くん主演「shock」のサキホ姐さん義姉さん役だと思っています。
私は、彼女はショースタータイプだと思っていて、一応のストーリーらしきものがありながら、合間合間のショーシーンで押し捲るこの舞台は実に樹里さんにあっていたと思うからです。
そして、私が彼女のファンである一番の理由である「責任感・プロ意識をもっていること」を一番感じるからです。

で、ファントムを超ファンモードで見ていて、あろうことかSHOCKを思い出しました。なぜならそれは
破綻しているストーリーのひずみを背負わされているのと
そのひずみを、歌一曲で取り返している高いプロ意識・責任感を感じた、からです。

SHOCKの時には、破綻したストーリーのひずみを一緒に背負ってくれる人がもう一人いましたし、なにより先に書いたように、物語を追うというより、ショーを楽しんでねというコンセプトなんで、「ま、しょうがいかな」と思えたのですが、今回は、至極真面目な舞台です。話の破綻ぶりでジャニーズショーと張り合ってどうするんですか>宝塚歌劇団&Mrコピット

SHOCKがどういう話だったかというと。
稀代のショースター・コウイチ(堂本光一)が率いるショーカンパニーが今日も元気にショーを公演しています。
そのカンパニーは元々はショーの天才と称えられていたコウイチの兄のヒカル(堂本二役)が創立、ダンスパートナーであり妻であるサキホ(樹里咲穂)と、裏方で頑張ってるマネージャーのタク(今拓哉)の三人が中心で運営してきました。
しかし13年前、ヒカルの夢だったNY公演が失敗、そして失意のヒカルが自殺してしまい、残されたサキホはタクとすぐに再婚、程なくして息子のリョウ(ジャニーズJrの日替わり)が誕生。カンパニーはというと、サキホとタクはもちろんのこと、「兄貴の夢を継ぐんだ」というコウイチがセンターで頑張って持ち直しました。
このカンパニーには2番手スターでサキホの実弟ツバサ(今井翼)やコウイチの右腕的存在のアキヤマ(秋山純)その他若くてかっこいい団員たち(ジャニーズJrの皆さん)がいます。
しかし、最近立て続けにカンパニーに災難が巻き起こります。フライング中に事故ったり、ツバサが交通事故にあったり。
しかしBWのプロデューサーが見に来ているショーをコウイチは成功させ、お誘いをうけるのです。
乗り気ではないのがサキホ。ツバサが事故で踊れなくなっているのに気になるのと、NYはヒカルが自殺した場所。サキホはいまだにヒカルのことが忘れられないのです。そんなサキホをタクは複雑な面持ちで見つめています。
カンパニーの皆さんはNYに船でこの時代に行くことにしました。しかし、なんだかんだ言っても心配なサキホとタクは飛行機でまぁ普通そうだよね先回りし、しかもサキホはアメリカ人青年のボーイ・キュート、タクは楽屋番のおばあちゃんに変装して待ち受けるのです。ボーイ・キュートどうみてもサキホさんなのに、みんなあっさりだまされます。
おとぼけカンパニーの皆さんは全米ツアーを回り大好評。ついにBWのステージに進出、初日は大成功を収めます。
そこでようやくサキホ&タクは正体を明かすのです。
「ええっボーイ・キュートはサキホさんだったのーー」(・・・)
初日のバックステージにはプレスが押しかけます。しかし、ショーで使用したヒカル作曲の曲の著作権を持っているという輩が難癖をつけてきます。カンパニー責任者のサキホがその契約書を見ると、ヒカルではないが見覚えのある筆跡に何かを悟ります。そして、コウイチがたまたま見つけていた正式な著作権の書類を見せ、事なきを得ます。
脚を怪我していて日本で腐っていたツバサの元にヒカルの亡霊が現われツバサを励まします。
そしてツバサは立ち直ってNYに駆けつけます。
そして、ある日、ツバサ・タク・サキホ・アキヤマがコウイチに呼び出されます。
そしてヒカルの自殺から始まったカンパニーを襲う数々の不幸は全部タクの策略だと暴くのです。
タクは不気味に語り始めます。
「ぶははははっ、いつかはばれると思っていたよ、俺は悪霊だ(・・・)、注目される奴なら誰でも良かった・・だが悪霊だって恋をする。このカンパニーはサキホがいた。偽りの日々の中でサキホへの愛だけは真実だったんだ(????)」
そして、タクとコウイチが舞台の一番高いところ、額縁?みたいなところで立ち回りをしてコウイチ(JACの人だけど)が突き落とされます。
それを見ていたリョウが「パパ、なんでコウイチを殺したんだ」と叫ぶとタクは「これでいいんだ、おまえも同じ道をたどれ」と返します。
するとリョウは「僕は悪魔の子じゃなーーい」と叫び、タクを撃ちます。
コウイチはというと「兄貴が助けてくれた」(???)と無事で現われます。
「僕は悪魔の子じゃない・・・」と落ち込むリョウ。何と声をかけていいかわからず寄り添うサキホ、と、そこでコウイチがこんなことを言うのです。
「リョウは悪魔の子なんかじゃない、リョウは僕のかわいい甥っ子さ」
サキホは聞き返します。「どうして?」(あなたが産んだ子でしょうに、こっちがどうして?と聞きたい)
コウイチは説明します。「タクは人間じゃなかった。人間と悪魔の間に人間は生まれない。だからリョウの本当の父親は兄貴なんだよ」
サキホは驚きます。「そうだったの?」(あなたが産んだ子でしょうに、こっちがどうして?と聞きたい)
結局、サキホはリョウと二人で、ヒカルの墓があるNYに残って頑張ることにし、コウイチ達は日本に帰ることになりました。

というお話なんですが。サキホとタクはもうこれ以上がないくらい突っ込みどころがありまくりです。
悪霊って何?ボーイ・キュートって何?何でみんな気がつかないの?
そして何より自分の産んだ子の父親が誰だかわかってなくって、回りも全員誤解してるってキャラって何?

しかし、樹里さんはこの突っ込まれまくりの役を何とか最後には納得させてました。その納得させられたのは「ニューヨーク,ニューヨーク」という曲で、最後「私はここに残るわ」という台詞の後、歌います。
もう絶品。私は初日見たんですが、ここショーストップ起きる勢いで拍手がすごかった。宝塚の場合は、ファンが拍手のツボをわかってますが、ジャニーズ舞台の観客はそんなことはわかりません。それでも帝劇を包み込むものすごい拍手。ほんとうにすごかったです。

で、今回のファントムのキャリエール役なんですが・・・と
字数がないので後日。
今日はいいお天気でした。
洗濯物もばりばり乾きました。

ファントムについて。
この作品は、19世紀末のフランス・パリの、オペラ座を舞台にした物語。
劇団四季で「オペラ座の怪人」として上演されている作品と
原作は一緒なれど、宝塚版は全然違うそうです。
だからか、今回の作品の出来は、ファンの間では結構賛否両論のようですね。
劇団四季は通称「ロイド・ウェバー版」と言われている脚本で、宝塚は「コピット版」と言われている脚本をベースに宝塚流にかなり潤色がなされているとか。
劇団四季も見る宝塚ファンにはかなり厳しい評価のされ方をしていますね〜。
それぞれ別物としてみればいいのに、なんて思いますが・・

出演された方について、簡単に。
◎ファントム(エリック)役/和央さん
 とにかく「耽美」なファントムです。
 「jupiter」歌ってるころの櫻井あっちゃんみたいな感じ。
 この方の特徴は、低音が豊かに響くところだと思います。
 女性的なまろやかな低音が、今回の役柄にぴったり。
 あと、感情表現がすごくこまやかに行き届いているなと思いました。
 演技などは迫力でおしまくるタイプの方ではないと思うんですが、
 その特性が、今回は全てプラスにでていてよかったなぁと。
◎クリスティーヌ役/花總さん
 この方はもう干支が一回りするくらいトップ娘役の地位にある方で、
 ある意味宝塚を代表するスターさんと思うんですが、
 それでも、純粋な少女の役を軽々とこなしてしまうところに
 凄みを感じました。だって、三つ編みすっごい似合うし。
 そして、少女の面とともに、母性と言うか女性ならではの愛するものを
 ふわぁっと包み込み全てを許容する包容力に圧倒されました。
 だてにトップを長いこと務めてないなーと。
 歌はエコーかけすぎ?とかちょっと思ったんですけどね(^^;)
◎フィリップ・ド・シャンドン伯爵/安蘭さん
 この方はとても歌が上手な方で、それはいいんだけど出番がコマ切れで
 ちょっとかわいそうな気がしました。
 とにかくラストちょっと前までは明るく空回っている役で、
 全ての真実に気づいたときに、がくーんとなるという。
 全体的に暗いお話のなかで、伯爵のシーンは明るいスパイスになっていました。
◎その他のかたは本当にかいつまんで。
カルロッタの出雲さん、うまい、うますぎ。
出てきてすぐ死んじゃうブケーの貴羽さん、へたれ具合がすごくうまかった。
劇団員ラシュナルの悠未さん、この人誰かに似てる・・ってずっと考えてて、1幕終わって気づきました。
ジャニーズの秋山純に似てます。顔じゃなくて存在が。
この両者の共通点は、「集団の中で一人だけずば抜けて骨格が丈夫そう」
ジャニーズにしても宝塚にしても、みなさんすらりとしていて
折れそうな感じな人が多い中、この両者、骨太な印象があります。
太っている、という意味では決して無いです。骨が太そう。

こんなところかなー。
あと、メインキャストの一人、ジェラルド・キャリエール役の
樹里さんについては、私が個人的に大ファンなんで
ゆっくり考察したいので今回は割愛します。

眠い・・・おやすみなさい。

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