お話の主たるエピソードにはほとんどかかわっていない
この人たちのお話を色々と考えてしまいました。

※これはあくまで舞台をみた上での感想なんで本当の設定はわかりません。あくまで私がかんじたことです。

アリ@高翔さんはいつも不機嫌。
仲間であるレオン@樹里さんには相対するときはにこやかなものの
レオンがちょっと視線を外すととたんに不機嫌になる。
仲間のほかの二人が寄って来てもにらみつけたりする。
レオンの彼女・ファティマ@華城さんにも厳しい。
そんな彼が唯一おだやかに接する相手。
それはレオンの母・ラッラ@京さん。

このことからちょっと思いついたストーリー。

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アリとレオンは幼馴染でちっちゃなころからつるんで悪戯ばかり。
レオンは母一人子一人の家族。
レオンの父はフランス人だけど、きっと大して仕送りもせずに
ラッラが女手一つでがんばってレオンを育てた。
アリはきっとたくさん兄弟がいて、その何番目か。
長男なら存在感があるし末っ子ならみんなのアイドルだけど、アリはまん中ら辺の子ども。
だからあまり親には目をかけられずに育った。
その分、幼馴染のレオンの母・ラッラにかわいがってもらったんだと。
でもレオンの母は当然アリよりはレオンのことを一番にかわいがる。
仲睦まじいレオン親子を、羨望の目で見ていた少年時代のアリ。

そして二人は成長して、悪戯坊主たちはいっぱしの不良となり
そして、裏の世界に足を踏み入れる。
コルシカマフィアの大物・マラケシュの裏の世界でも存在感を持つ
コルベット@夏美さんの子飼いとなる。
その成長する過程でアリは白人に対して何らかの強烈ないやな体験をする。
で、猛烈に白人嫌いになる。
だけど、幼馴染のレオンは別。レオンはハーフだし、レオンも白人は嫌いだといっているし。

しかしその関係は、リュドヴィーク@春野さんの登場で壊れる。

コルベットはレオンたちにリュドヴィークと組むように命令。
おそらく、年の近い話し相手をリュドヴィークにつくってやろう、
くらいの軽い気持ちだったんでしょう。
逆らえないレオンたちはリュドヴィークと行動をともにするようになる。
いつも何か厭世的雰囲気を漂わせている得体の知れないリュドヴィーク。
しかし、アリは感じ取った。
そのリュドヴィークに対してレオンは、明らかに違う視線でみていること。
リュドヴィークもレオンに対して、どことなく違う視線で見ていること。
レオンはリュドヴィークの中にある、ただならぬ得体の知れないものに惹かれていた。
リュドヴィークは自分がどこかに置き忘れてきた熱情を常に発散させているレオンに惹かれていた。
しかし、アリはそうは思わなかった。
生粋の白人であるリュドヴィークに憧れているんだ、こいつは。
白人のリュドヴィークも、ハーフのレオンには心を許すんだ。
ずっとレオンの隣にいたのは自分なのに、よりによって白人なんかと・・・
そしてアリはレオンを段々と疑いの目で見つめ始める。

そのころ並行してレストランを出し、経営が軌道に乗り始める。
店ではリーダーシップを取るのはレオン。アリは二番手の存在。
レオンはちゃっかり店の女の子・ファティマに手を出して彼女にする。
アリも彼女が気になってたけど、レオンに先に行かれてしまって。
奔放に生きるレオン、それを見つめるアリの視線は段々と疑いと嫉妬を帯びたものにかわってくる。

レオンはラッラが何かにつけ干渉してくるのがうざくてたまらない。
一応正彼女ポジションにファティマがいるけど、彼女の縋るような視線が重く感じる。
この街に、どうしてもこだわる必要はない。
そして、自分は半分白人の血が流れている。
これを利用して、マラケシュから逃れ、大都会のパリでのし上がってやる、そう考える。

アリはレオンが段々と疎ましくなってくる。
優しい母親を疎んじて、かわいい彼女がいても他の女と遊んでるようなレオン。
いつも自分の先を行くレオン。アリの目からは奔放に生き、愛情に満たされているレオン。
自分が手に入らないものをいくつも手に入れているレオン。
そして、アリはまたしても思い出す。
そういえばレオンは半分白人・・・・・・レオンは、オレの仲間じゃないのか?
もちろん、アリはレオンが孤独に苛まれていることには気づかない。

レオンは小さな頃から知ってるアリにぽろぽろと自分の思いを漏らす。
いつかでてってやる、こんな街。オレはパリで成功するんだ。
レオンがぽろぽろと漏らす本音は、
アリにはベルベル人である自分を中傷するように聞こえてくる。

そうか、レオン、お前はやっぱり白人に憧れてるんだな。
半分ベルベルの血が流れている分、中途半端な人間なんだな。

レオンがいつものようにペテンの計画を話し始めた。
白人を騙す計画。どう考えても無謀な計画。
その中には白人であるリュドヴィークもいた。
リュドヴィークは白人だろ。
その言葉にレオンは言う。
オレが責任をとる。

その言葉で、最終的にアリの中で何かがはじける。
目の前にいるのは、ベルベル人であるあの優しいお母さんの息子のレオンじゃなく、
小さい頃からずっとつるんできた仲間のレオンじゃなく、
白人のレオンだ。
オレはこいつに騙されていた。裏切られていた。ずっとずっと。

アリは宣告する。
仲間を裏切る半端な男は、このオレが、始末する。
レオンは気にもとめずに好きにしろ、と言い放つ。

そして、アリは宣告どおりレオンに向かって引き金を引いた。
一つ目の銃弾がレオンの体を貫く。
仲間だろ、と縋ってくるレオンに仲間じゃない、と言い放つアリ。
そして、過去を振り切るようにもう一度引き金を引く。
二つ目の銃弾も確かにレオンの体を貫いた。
そしてアリはレオンが息絶える姿を見ることもなく走り去る。

お前なんか仲間じゃない、お前はオレの大嫌いな白人のレオンだ。
とっとと野垂れ死ね。
お前は、ずっとオレを騙していたんだから。
オレは、お前を信じていたのに。

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アリ@高翔さんの殺気がただならぬものであったので
そこにひきつけられてしまったんです。
で、こんな話を考えた、と。

ファティマちゃんのストーリーは別に。

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