胸が痛い。

2004年6月13日
束の間の旅行から帰ってきた。
胸が痛い。

理由その1)
断乳って、これほど胸が痛いものだとは思わなかった。
胸がかちかち。岩のよう。
週明けたら病院にいこう。

理由その2)
宝塚歌劇「ファントム」を見てきた。
このお話は「オペラ座の怪人」として有名な話。
感想は何日かにわけてたらたらと書くとして、
私が一番胸が痛かったのは、主人公のファントム(エリック)が
化け物のような風体で生まれてきたとき、
父親は「うわぁーーーーっ」と叫ぶのに
母親はこの世で一番美しいと信じ
「私の歌声が生んだ天使」と歌う場面。
母親は、醜いと思ってないんですね。
ここ、だめ。私にとっては反則。

宝塚なんで、主人公を演じるトップスターさんの顔にはあまり醜い傷は
つけることができません。
なんで非常に申し訳程度の傷メイクがされてます。
それは、息子が食物アレルギーで酷い顔をしていたときより
きれいなお顔でした。

それは息子の食物アレルギーが絶頂だったころのこと。
ちょうど息子の初節句でした。
顔は皮がむけ、痒いのでかきむしって大変なことになってました。
赤ん坊なんで「かいちゃだめ」なんていっても無駄。
毎日包帯で腕を固定して寝かせていました。
私は切なくて毎晩涙を流していました。
で、初節句なんでこんな顔でも写真をとりましょう、と
近所の子供専門写真館に行きました。
桃太郎のコスプレ(金太郎と迷ってこちらにした)をさせ、
椅子に座らせ、せめて笑顔でと、夫と二人
一生懸命あやしていました。
カメラマンはてきぱきと写真をとっています。
カメラマンはいいました。
「あーかわいいねー」
それを聞いていた、順番を待っていた子のおかあさんが言いました。
「プロって大変ね、あんなぐちゃぐちゃでも可愛いって言うんだから」
私にはそれは聞こえてしまったのです。
そのおかあさんを責めるつもりは無いです。
だって私も内心は「酷い顔だなぁ」と思っていたのだから。

帰りの車でぽろぽろなきました。
息子の顔を貶されたこともあったが、
一番こたえたのは、自分が心の奥底で思っていたことを
自覚してしまい、自分は親失格なのではないかと
心底落ち込んだのです。

幸いにも現在はアレルギーは落ち着いて
卵と牛乳をそのまま食べなければ何とも無いくらいになりました。
あのころとは比べ物にならないくらいきれいな顔です。
だから、あのときのショックは私は忘れていました。

それを、このファントムという作品は思い出させてくれました。
本当の母親なら、どんな顔でも醜いとは思わない、
なのに私は・・・・・・・・・・・・・・

今でも、私は母親としての適性があるかどうかわからない。
でも、確かに息子を産んだのは私。
あの時、私はこの子を育てていけるのかと真剣に悩みました。
今でもその答えは見つかってはいません。

うーん、胸がいたい・・・・・。

コメント